【印刷不良】薄い横スジがでる
○等間隔に薄い横スジがでるケース
・PASS(※1)の間隔で薄い横スジがでる
原因:送り補正(※2)がプラス方向にズレてしまい印刷寸法間隔が増えた分隙間スジが発生。
処置:送り補正の実施。各メディアをプリセット登録している場合は該当プリセットの確認と修正。
・PASS内に薄い横スジがでる
原因:ドット抜け・よれ(※3)により正常に印字ができていない。
処置:自動クリーニングやマニュアルクリーニングによるヘッド清掃。
詳細はこちら→ 【印刷不良】ドット抜けやヨレが出てしまう
○不定間隔で薄い横スジがでるケース
印刷の途中から薄っすらとしたスジムラがでる
原因:白スジと呼ばれる症状で、インク膨潤※4が安定していない。
表面コーティングされたインク受理性の高い安定したメディアを使用すると発生しやすい。
処置:印刷速度を上げる、ヒーター温度を下げる。
インク吐出タイミングを速めることでインク膨潤が安定する。
ヒーター乾燥力を下げることでインクの乾燥固着を抑制する。
※1:PASSとは一度にインク吐出する長さの通称。
インクジェットプリンタの往復印刷方式で複数回に分けてインク吐出し色構成させている。
一般的にヘッド縦寸法長さ分を8分割したり16分割して印刷をする、それをPASS数と言う。
よく8PASS、16PASSと言われるのは何回に分けて色構成させるかを表している。
※2:送り補正とはメディアの厚みごとに設定する送り1回ごとの距離の微調整項目。
機種によっては呼称が異なり、キャリブレーションと呼ぶものがある。
※3:ドット抜け・よれとはヘッドのノズル異常によるドット吐出不具合。
ドット抜け→ノズルからドット吐出がされてない状態。
ドットよれ→ノズルから吐出されたドットが正常な位置に落とせていない状態。
※4:インク膨潤(ぼうじゅん)とはインクドットがメディア表面に着弾し広がり馴染むこと。
溶剤インクジェットプリンタは基本的にノンコートメディアを使用するので、
着弾したドットがすぐに乾燥固着することは比較的に少ない。
逆にこれが過剰になると、インクが広がりすぎて周りの色まで浸食してしまい、
滲みやダマといった状態が現れる。